不動産業界の常識では、墓地や斎場、火葬場などは忌避施設、嫌悪施設などと呼ばれていて、近所にあると物件の価値を下げる要因になると言われています。
確かに、日本人は古来より死を「悪いイメージ」ととらえてきましたから、死や葬儀を連想させる施設があると、感覚的に遠ざけたくなる気持ちも理解できます。
墓地という色眼鏡を外してメリットを打ち出し高く売れた家
相談を受けた物件は、南側が塀を挟んでお寺の墓地に隣接している戸建て住宅でした。
このあたりの坪単価は200万円くらいの査定をしてきたそうです。
しかし、隣が墓地であることはそれほどまでに物件の価値を下げてしまうのでしょうか。
私は実際に物件の内部と外部を見て回りました。
確かに南向きの窓からは墓地がはっきりと見えます。
しかし、別の見方をすれば、太陽を遮るものが一切なく、日当りは最高でした。
狭い土地にたくさんの住宅が建っていて、南向きの窓に面してすぐに他の家の壁がそびえたっているような物件に比べれば、実に快適な生活ができそうです。
そもそもここは都内だったのですが、都内には南側が広く抜けている土地はあまり多くありません。
墓地の存在を全く気にしない人にとって見れば、こんないい条件の土地はないかもしれません。
時々聞こえてくるお寺の鐘だって、うるさいと感じる人には騒音ですが、風情があってよいと感じる人だって少なくないはずです。
墓地を日当りがよく風情があると思える人を購入対象とする
私は、この物件を、墓地を気にしない人向けに、あえて坪単価210万円で売り出すことにしました。
具体的には普段から墓地や慰霊に関わる仕事をしている方々です。
いずれにしろ、墓地を気にする人は、価格が安くても、この物件を買うことはありません。
だとしたら、気にしない人向けに、眺望の開けた日当りのいい物件として売り出す方が良いと思ったのです。
結果的には、無事に相場以上の価格で売れて、売主には喜ばれました。
この物件の売却ポイントは常識にとらわれないことでした。
墓地というと、すぐに不動産業者は忌避施設ととらえてしまいますが、実際のところ、墓地が嫌だという人は、それほど多くないのではないでしょうか。
不動産業界の常識にとらわれてしまうと、この物件のデメリットばかりが目につきますが、常識の色眼鏡を外してみれば、日当りがよく南側が開けた土地という大きなメリットに気が付くはずです。
まとめ
いかがでしたか?
「墓地の隣近所だからと言って、不動産の価値が低くなるとは限らない」と思っていただけたのではないでしょうか。
墓地や慰霊に抵抗感の少ない人を対象にして宣伝したことで、相場よりも坪単価10万円も高く売れました。
墓地にメリットを見出すにはそれなりの経験がある不動産屋でないと出てこないかもしれません。
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