「原価法」は不動産の査定方法のひとつ
不動産の査定方法には以下の3つがあります。


  • 原価法
  • 取引事例比較法
  • 収益還元法


その中でも、売り主が納得しやすい不動産の査定方法が「原価法」


この記事では、原価法のメリットだけでなくデメリットまで、元業界人の大塚茂住(おおつかしげすみ)が解説していきます。


それでは、まいりましょう。

原価法とは

取引事例比較法による査定方法が一面的なものでしかないことに実は多くの人が気づきます。


そこで、家の価格を求めるにあたっては、他の方法も用意されてはいます。


その一つが原価法です。


原価法とは、積算法とも呼ばれます。


あなたの家を建てるために必要な資材や労働力などのコストを積み上げて価格のベースとするもので、新築物件などの価格をつけるときによく使われています。


【原価法のメリット】
原価法は取引事例比較法より受け入れやすい

原価法は、取引事例比較法に比べて、一般的に納得のしやすい方法です。


資材コスト、労働コスト、そして販売管理費と利益を積算して、「あなたの家を建てるためにはこれだけのお金が必要になります」と言われれば、「その価格はおかしい」と反論できる人は少ないでしょう。


不動産の査定方法として原価法が使われるのは、なにも新築物件ばかりではありません。


中古住宅でも入手後に火災保険に加入しようとすると、原価法で積算された家の価格が保険金の金額として示されます。


火災保険とは、火事で家が全焼したときに、全く同じ家を新しく建てられるようにとの考えでつくられています。


ですから保険金の金額は、再調達価額ともいわれます。


ところが、原価法によって求められる再調達価額が、家の売買の取引に使われることは全くありません。


なぜならば、再調達価額とは新築の家の値段であり、中古の家はそれよりも安くなって当然だと考えられているからです。


そのため、原価法によって家の価格を求める際には、建物の経年劣化による修正「減価補正」を行わねばなりません。

【原価法のデメリット】
原価法より取引事例比較法が優れている!?

原価法のデメリットは、以下の2点です。

  • 原価法は年の経過による急激な価値の下落が起こる
  • 原価法では土地の査定ができない

それでは、それぞれ解説していきます。

【原価法のデメリット①】
年の経過による急激な価値の下落が起こる

日本では一般的に、木造住宅の場合は築20年でその価値はゼロになるといわれています。


ということは、2000万円かけて建てた家があった場合、1年ごとに100万円ずつ減価していくわけです。


新築に2000万円かかった家でも、5年後には1500万円、10年後 には1000万円の価値しかなくなり、20年後には無価値となってしまうのです。


もちろん築20年の家が実用に値しないというわけではありません。


築30年でも築40年でも住み続けている人はいくらでもいますし、実際に住んでいる人にとって雨風を防いで快適な生活を与えてくれる家の価値がゼロのはずはありません。


しかし、なぜか日本では家の市場価格は急激な勢いで年の経過によって価値の下落する経年減価というものが起きるのです。
経年原価もまた、おかしな話です。


どんなに古くても建物の価値がゼロになることはありませんし、骨董品や古民家のように古いことに価値のあるものだって少なくはないからです。


例えば、ニューヨークやロンドンには築100年以上になるアパートメントや住宅がたくさんあり、それらの物件は土地代込みですが、新築にひけをとらないような価格で取引されているそうです。


しかし、日本においては特に、新築をよしとして中古を避ける分化があるために、中古物件には市場でいい値段がつかないのです。


そのため、築20年以上の住宅は、ほぼ土地代のみで取引されているのが実情です。


それどころか、買い手から「家を取り壊すのだからその分の価格をまけてくれ」などといわれて、土地代の相場よりも安く売却されることも少なくありません。

【原価法のデメリット②】
土地の査定ができない

このように、日本に置いては原価法で家の価格を考えてみても、あまり楽しいことにはなりません。


それでしたら、不動産の査定方法を取引事例比較法にした方が、まだ市場価格に近い査定額を算出できるんです。


そのため、不動産業者も取引事例比較法をベースに、原価法による価格の査定方法はあくまでも参考程度にしか用いていいません。


また、たとえ原価法であっても、先ほどお話しした手作りの茶碗の例のように、ごく少人数にしかわからない価値や愛着を鑑定することはできません。


手作りの茶碗の原価は100円よりは高いでしょうが、ごくわずかなものです。


しかし、本人の手にぴったりフィットするとか、好きな色だけを使っているとか、そのこだわりはプライスレスでしょう。


さらにいえば、原価法では家の価格を算出することはできても、土地の価格を査定することはできません。


土地には原価がないからです。


結局、土地の価格はやはり取引事例比較法に頼るしかないのです。

まとめ

いかがでしたか?


原価法は、家を建てるときにかかった資材や労働力を基準に考えられるため、売り主にとっては納得のしやすい不動産の査定方法です。


しかし、以下のようなデメリットもありましたね。


  • 原価法は年の経過による急激な価値の下落が起こる
  • 原価法では土地の査定ができない


結局のところ、今現在、不動産業者がメインとして活用している不動産の査定方法は原価法よりも取引事例比較法となります。


売り主にとっては歯がゆい部分もあるかもしれませんが、この記事で書いたことも含めて業界を知って賢く不動産売却をすることが必要になるでしょう。



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